【南部鉄器】効果とお手入れ



鉄瓶をはじめてお使いになる際は、鉄臭さを消すために、お茶の葉を少々入れ八分目ほどのお湯を沸かします。この際、噴きこぼれないように、蓋はちょっとずらして下さい。沸騰したこのお湯は捨てて下さい。鉄瓶はとても熱くなっておりますので直接触れないようにミトンや濡れ布巾をお使い下さい。また、通常お使いになっている場合でも、鉄臭さを感じるようなら、この作業を行って下さい。

通常お使いになる場合は、沸かしたお湯を鉄瓶に入れたままにしないように、すぐにポットなどに移して下さい。冷ます場合も、他の容器に移して冷まして下さい。お湯を空けた後の鉄瓶は、とても熱くなっていますので、その余熱を利用して蓋を開けたまま十分に乾かして下さい。お湯を入れたままにしたり、濡れたままにしたりしていると、鉄瓶は錆びてしまいます。
 鉄瓶で沸かしておいしくなったお湯を料理に使ったり、冷やして飲んでも、鉄分補給に効果があります。
沸かしたお湯はすぐにポットへ!
余熱を利用し、蓋を開けたまま内部を充分乾かします。


人間が生きていくために、鉄分は非常に重要な役割を果たしています。

鉄分が不足すると赤血球中のヘモグロビンがうまく活動できずに貧血などの症状があらわれます。人間は1日に1〜2mgが必要と言われていますが、食物から吸収される鉄分は非常に吸収率が悪く、これは食物に含まれる鉄分が非ヘム鉄(三価鉄)で、吸収され難い性質をもつためです。一方鉄製品から溶け出す鉄分はヘム鉄(ニ価鉄)で、食物に含まれる非ヘム鉄に比べ5〜8倍も吸収されやすいのです。(内面素焼きのものに限る)効率的に鉄分を補給したい場合は、鉄製の調理器具を使うことが一番なのです。しかし、鉄製品なら何でもと言う訳ではありません。


錆止めの塗装等を施した物は、鉄分補給は難しいのです。錆びないと言うことは、鉄分が溶け出さないというなのです。鉄瓶は錆び易いといわれますが、錆びないようにすることも可能です。しかしそれでは大事な鉄分補給ができません。そこで鉄瓶の内面には「漆の焼きつけ」という昔ながらの技法が今なお使われております。天然の漆を使うことにより鉄分が溶け出しながらも錆び難いという微妙なバランスを保つことができるのです。内面には「漆の焼きつけ」が行われ、適度に鉄分が溶け出すようになっています。(鉄瓶 花丸)


量販店などで価格の安い製品を見かけますが、ほとんどは、化学合成の錆止め塗料が使われております。焼き入れも行われておりません。

それで本当に鉄瓶本来の働きが出来るのでしょうか。

当店で取り扱いしている南部鉄瓶は、内面素焼き加工で鉄分を補いやすくなっているので、使い方さえきちんと守れば、錆びずに上手に鉄分補給ができるのです。
また、溶け出した鉄分は、水道水の嫌な臭いの除去でも効果があります。嫌な臭いの原因は塩素で、水道水の消毒などのために添加されているものです。鉄瓶で水道水を沸かした場合、10分程でこの塩素は溶け出した鉄分と反応して無臭無害の別の物質に変わり、嫌な臭いは消えてしまいます。鉄以外の調理器具で水道水を沸かした場合の多くは塩素が消えることはなく10分程で半分程度に減少しそれ以上沸騰を続けると塩素濃度は上がりはじめ、最高でもとの倍ほどになってしまいます。

使い方を守り、上手に付き合えば鉄瓶は最高の調理器具です。

1.最初軽く水洗いをし、煎茶を湯呑茶碗1杯分布巾に包み、10分間位煮立ててください。これは金気止めの効力を増し、内部の金ウルシの臭いをとります。
2.天然ウルシ伝統技法で着色をしていますので、内部外部とも洗剤・磨砂・たわしなどで磨かないで下さい。
3.ご使用と同時に、内部のところどころに赤い斑点が生じますが、これは鉄瓶独特の現象ですのでご安心ください。錆びたような状態になってもお湯が透明で金気がないときは、ご使用に差し支えありません。
4.水質などにより、万一金気がでるときは、粉茶・湯呑茶碗1杯を布巾にゆったり包み、2〜3回煮立ててください。茶渋が内部に付着し、タンニン鉄となり、金気止めの効果を発揮します。
5.ご使用後、内部全体が淡黄色に粉をふいたような状態になりますが、酸化被膜独特の防錆作用で、金気ではありませんので、そのままご使用ください。無理に取り除くと錆びる原因になります。
6.表面のお手入れは、鉄瓶の熱いうちに、絞った茶布巾で軽く拭いて頂きますと、自然の光沢がでてきます。
7.ご使用にならないときは、余熱で内部をよく乾かし、乾燥した場所に保存してください。水の入れっぱなしは、金気の原因となります。